最近の大河ドラマ視聴率
2000年以降の9年間で平均視聴率が20%を越えたのは、昨年の『篤姫』(24.5%)以外では、2002年の『利家とまつ』(22.1%)と2006年の『功名が辻』(20.9%)の三つだけです。この三つの共通点は、主人公が女性であるということです。
『利家とまつ』では、まつ(松嶋菜々子)、『功名が辻』では、千代(仲間由紀恵)でした。
やはり女性の支持がないと視聴率アップはなかなか難しいようです。(私としては珍しく両方ともほとんど見なかったのですが)
高視聴率の大河ドラマ
近年の平均視聴率は10~20パーセント代ですが、過去には大変高い時期もありました。特に1987年からの三年間は、3年連続で30%を大きく超えました。
1987年の『独眼流政宗』(渡辺謙)、1988年の『武田信玄』(中井貴一)、1989年の『春日局』(大原麗子)です。
中でも『独眼竜政宗』は、大河ドラマがスタートした1963年(昭和38年)から昨年2008年までの47ドラマの中で最高視聴率(39.7%)を記録しており、当時は一大ブームとなりました。
それに対して、司馬遼太郎の原作がこの年のベストセラーの第五位にもなっている『竜馬がゆく』(昭和43年 北大路欣也)が、14.5%と過去2番目に低い視聴率だったというのは意外です。私が大学に入学した年ですが、東大紛争を初めとする激しい学生運動で世の中が騒然としていた時代だったということもあるのでしょうか?
思い出の大河ドラマ
私の思い出のドラマを上げるとすれば、大河ドラマがスタートして2年目の昭和39年の『赤穂浪士』(長谷川一夫)、続く40年の『太閤記』(緒形拳、高橋幸治)、そして翌年41年の『源義経』(尾上菊之助、藤純子)などで、私が中学から高校時代のものです。若いときに見たものが印象が強く残っているようです。
以前にも書きましたが、私的には信長といえば高橋幸治というイメージがこの『太閤記』でできてしまいました。また『源義経』では、義経役の尾上菊之助と静御前役の藤純子が、この共演をきっかけに結婚したことも当時としては珍しく話題になりました。
尚、これまでの(瞬間)最高視聴率は、『赤穂浪士』の討ち入りの回の53パーセントというのが最高記録となっています。
もう一度観たい大河ドラマ
①『獅子の時代』 1980年(昭和55年)
山田太一のオリジナル脚本で、1867年のパリ万国博覧会で出会った会津藩士の平沼銑次(菅原文太)と薩摩藩士の苅谷嘉顕(加藤剛)を中心に、日本の夜明けを描いたドラマです。大河ドラマとしては珍しく歴史上の人物やヒーローではなく、架空の2人の下級武士が主人公です。強く印象に残ったのは、幕末維新を勝者側だけでなく、敗者の視点からも描いているからです。
音楽が「ダウタウン・ファイティング・ブギウギ・バンド」とユニークで、阿木耀子作詞の挿歌「OUR HISTORY AGAIN~時の彼方に~」も懐かしいです。
何年か前にもう一度見たくなり、ビデオを借りて見たのですが、総集編だったので物足りず残念だったのですが、最近DVD全十三巻が出て、放映51回分全てを見ることができるようになりました。早速11月から毎週末に一巻づつ借りて見ているのですが、未だに見終りません。楽しみです。
②『炎立つ』 1993年(平成5年)
高橋克彦の原作で、平安時代の東北地方を舞台にしたドラマです。
前九年の役・後三年の役で争った安倍氏、清原氏、源氏(義家など)及び奥州藤原三代の興亡を描いています。主演は奥州藤原氏の初代藤原清衡の父清経と四代目泰衡の二役を演じた渡辺謙です。
放映当事はなぜか余り見ていた記憶がありません。高校の日本史の授業で出てきたけれど、なんだか複雑で余りよくわからなかったという印象があったせいかも知れません。その後大分経ってから『炎立つ』の原作を読んでようやくその歴史が理解できると同時に大変興味が湧きました。
それでビデオを借りて見たのですが、『獅子の時代』以上に短い総集編で、ビデオを見ただけではほとんど理解できないものでがっかりしました。しかしこちらも最近DVD九巻で全てを見られるようになったので、是非見直したいと思っています。
雑感
来年の大河ドラマは、『竜馬伝』(福山雅治)に決定しています。福山竜馬は私のイメージの竜馬とはかなり違いますが、どうなることやら。オオバケしてこれまでとは違う新たな竜馬像ができることを期待しましょう。
長野県の高遠では、”「保科正之」を大河ドラマに!”という運動をされていると聴いています。
もしも実現すれば保科正之公が藩祖である会津藩ファンの私にとっては大変嬉しいのですが、戦国武将のような派手さはないので大河ドラマとしてはなかなか難しいかもしれません。
昨年3月に、”『松平(保科)会津藩と信濃の武士たち』を書きます”と予告しましたが、あれから1年近くも過ぎてしまいました。決して忘れているわけではなく、”一度高遠に行って来てから書こう”と思いながら、いまだに実現していません。今年こそは書きます。
(注)文中の視聴率データは、ビデオリサーチ(関東地方)によるものです