管理部門担当の倉沢です。
私は年に1、2回は某チームのプロ野球観戦に行きますが、今年は家族を連れて西武ドームに行って来ました。
↑我が家からも将来のプロ野球選手候補が一緒に観戦です!!
生観戦は、テレビでは見れない試合開始前の練習風景を見ることから始まり、試合中の1球ごとに変わるポジショニングや選手の動きなどを見ることができて「勝った負けた」だけでない楽しみがあります。
子供たちは野球より食べたり飲んだりが楽しいようですが・・・(笑)
WBC連覇で盛り上がった今年のプロ野球も既にシーズンオフ、来年のブログでは観戦記でも書きたいと思います。
プロ野球に限ったことではありませんが、選手たちの裏にある人間模様やドラマを知るとまた違った見方ができると思いますので、今回はあるプロ野球選手の話を紹介します。
彼の名前は「田上秀則(タノウエヒデノリ)」
彼は大学卒業後、強打の大型捕手として期待され、2001年ドラフト3巡目指名で中日ドラゴンズに入団、背番号9番を与えられました。
しかし結果が残せず2005年オフに戦力外通告を受けてしまい、トライアウト、入団テストを経て福岡ソフトバンクホークスに入団しました。ホークスでは当時の正捕手であった城島健司がFAでメジャーリーグに移籍したのでその補充として、言わば「拾われた」形での入団でした。
城島退団後のホークスは、扇の要である正捕手が育たず、チーム成績は下降ぎみとなり、2008年にチームはついに最下位転落、「正捕手不在」が低迷の一因でした。
その間の彼は、捕手としての出場だけでなく、打力を生かして内野手へのコンバートを試されるなど、紆余曲折の3年間を経験しました。
2009年になり、彼はブレークします。正捕手に定着し、オールスターゲームにも選出され、初の規定打席到達を果たし、本塁打も26本を放ち、ホークスでは「城島以来」捕手での20本塁打以上、80打点以上を記録しました。チームも前年の最下位から3位へ浮上、彼の頑張りは、まさに戦力外から這い上がった意地だと言えるでしょう。
そして2009年オフ、城島がメジャーリーグから日本球界復帰することになりました。しかしホークスには正捕手を掴んだ彼がいました。一時はホークスも城島獲得に向かいましたが、4年間常に城島の幻影と戦い、正捕手を掴んだ彼の存在も大きな要因となり城島獲得は断念となりました。(城島は阪神タイガースへ入団)
多くのファンは城島がホークスに復帰するのを望んでいました。
彼は来年から、今まで以上に城島の幻影と戦い続けることになってしまいました。
「やっぱりあの時、城島を取っておけば」とか「城島だったら」と比較されてしまうことは避けられないでしょう。
城島の代わりに拾われ、城島に代わる存在に成長し、城島が復帰する場所を阻んだ選手、田上秀則。
「彼の本当の戦いは来年からです」
追記:11/18に田上選手が2009年パリーグのベストナインに選ばれました。おめでとう!