今回も、NHK大河ドラマの話をさせてもらいます。
我がライフライフアシストでの『龍馬伝』の視聴率は、去年の『天地人』よりもいいようです。
4月の後半からは、龍馬の師とも言える勝海舟が登場しました。
勝役は、武田鉄也。
【若き日の勝海舟(麟太郎)】
龍馬と勝が初めて出会ったのは、文久二年(1862年)と言われていますから、その時龍馬は27歳、勝は39歳ということになります。若いですね。
龍馬役の福山雅治ももう41歳になるそうですが、その歳に比べるとまだ若く見えます。勝役の武田鉄也は61歳、生きてきた歳月相応に顔のしわも刻まれ、当時の勝の年齢にしてはどう見ても歳を取り過ぎています。
武田鉄也は、ご存知の通り若いときから坂本竜馬に心酔し、自ら『私塾・坂本竜馬』という本を書いているほどで、私も嫌いではありませんが、今回の配役にはどうしても違和感を感じてしまいます。
龍馬は、明治維新の前年に31歳で暗殺されますが、勝の方は長生きして明治32年75歳まで生きています。
【晩年の勝海舟】
『龍馬伝』に限らず、近年の大河ドラマは出演俳優の高齢化が著しいように思います。
昨年の『天地人』の秀吉役の笹野高史は61歳、家康役の松方弘樹66歳。
一昨年の『篤姫』で勝海舟役を演じた北大路欣也は65歳、実際は49歳で亡くなっている島津斉彬役の高橋秀樹も64歳でした。
特に2006年の『功名が辻』はひどかったです。
信長役は舘ひろし、秀吉役は柄本明、当時二人とも50代の半ば過ぎでしたが、既に疲れているような雰囲気でカリスマ性など全く感じさせず、なんとも興ざめで早々観るのを止めてしまいました。
昔は違いました。
北大路欣也も、1968年の『龍馬がゆく』で龍馬を演じたのは、25歳の時でした。
また、松方弘樹が1974年に『勝海舟』で海舟を演じた時は、31歳でした。
実際の龍馬や海舟よりも若かったのでした。
『篤姫』の宮崎あおいや『天地人』の妻夫木聡のように、ドラマの進行とともにその人物も成長していき、自分よりも歳上の役を演ずるようになっていくというのはまだよいのですが、既に十分歳をとった俳優が自分よりもずっと若い役を演ずるというのはなかなか無理があるように思います。
ドラマの冒頭で配役を紹介するタイトルロールの最後に出る「止め」は、大物俳優でなければいけないというような舞台裏事情もあるようですが…。
私は、ドラマを見ている若い人たちに、幕末維新を動かしたのは、我々が想像しているよりもずっと若い人たちだったということを知って感じてもらいたい、そしてもっと元気になって欲しいと願っています。だから若かった彼らを演じさせるには、もっと若い俳優をどんどん抜擢して欲しいのです。
坂本竜馬は、明治維新を見ることなく31歳という若さで亡くなりましたが、他にも道半ばで死んでいった若き志士たちは大勢います。
例えば
吉田松陰 29歳
高杉晋作 28歳
武市半平太 35歳
また、いわゆる”維新の三傑”も、明治維新(1868年)のときには未だ若かったのです。
西郷隆盛 40歳 (明治10年自決)
大久保利通 38歳 (明治11年暗殺)
木戸孝允(桂小五郎) 35歳 (明治10年病死)
(注)年齢は、その数え方により1歳前後の違いがでることを了解願います。