◆天下茶屋からの富士山◆
短編小説として国語の教科書の題材にもなった「走れメロス」は、今も人気が高い。
その作者である太宰治が昭和13年9月から三ヵ月逗留した天下茶屋は、彼の小説家としてのターニングポイントになった場所だという。
小生も多感(?)な中学生時代には、彼の殆どの作品を読み感化されたものである。
がしかし、自殺未遂を繰り返して最後は多摩川入水で本懐を遂げた彼の人生には「?」の思い。
現在の天下茶屋は三代目だという。平日に来るバスは一日一便。休日で二便のみ。
この茶店の二階には太宰治の逗留した時の部屋が再現されているというが、残念ながら営業時間外であったために見る事は出来なかった。
「富士には 月見草が よく似合ふ」 (富嶽百景の中の名言)
この茶屋には太宰らしい以下のエピソードが伝わる。
当時滞在中の太宰治に、ほうとうを出した所、「僕のことを言っているのか」と不機嫌になったとの事。けれどほうとうは「甲州の食べ物である」と説明し、これを食べましたら大変気に入った様子で、次からは「ほうとう、ほうとう」と食べたがったそうです。
ちなみに太宰は「ほうとう息子」と勘違いしていたようです。
この茶屋から江戸時代の御坂峠を目指す途中に、富士山撮影の絶景ポイントがある。
雪山を掻き分けて見えた景色は、我々日本人が愛して止まない富士山の神々しい姿であった。
実は文豪の足跡や富士山を訪ねたのではなく、御坂城という城跡に行くつもりが積雪で断念(笑)